広島県福山市にある公園で、当時小学6年生の児童が、別の児童に蹴られてけがをした後、不安のため登校できない状態となり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断を受けたことについて、福山市教委はいじめ重大事態と認定し20日、調査報告書を公表しました。

調査報告書によりますと、被害児童は2024年5月、市内の公園で遊んでいた際、すべり台の上にいた別の児童に蹴られたため、約2・6m転落し、けがをしました。その後、児童は蹴った児童と学校で会うことへの不安から約1か月登校できなくなり、およそ4か月後には、PTSDと診断されました。

学校は、蹴った児童に対しても「特別な指導」を行い、けがをした児童とは別の場所で学習する措置を卒業までの約4か月間とりました。

学校側が改めて調べたところ、加害児童から悪口を言われたため、被害児童が「いじめがある」という認識を示したアンケートが小学校2年生の時に記されていたことを確認しました。

報告書では「『いじめ』だと訴えのあった児童に関する情報が、進級時に共有されていなかった」「いじめの被害者・加害者に対して、継続的に状況を確認していなかった」と学校側の課題を指摘しています。

福山市教委は「今後、二度とこのようなことが起きないよう再発防止と、子どもたちが安心して過ごせる学校づくりに、全力で取り組んでまいります」とコメントしています。