球磨村の松谷浩一(まつたに・こういち)村長に対する辞職勧告決議案が提出され、可決されました。村長は「支援者と相談して対応を検討する」としています。

村議「議員勧告決議案を6人の議員の賛同を得ましたので動議として提出したいと思います」
松谷村長をめぐっては、第三者との会合で「球磨村役場の職員はわからん」と発言したことが職員に伝わり、「能力が低い」という意味だとして、議会などで問題視する声が相次いでいました。
こういった状況で、複数の村議が松谷村長に対する辞職勧告決議案を提出する方針を固めていました。

そして今日20日、松谷村長だけでなく、上蔀宏(うわしとみ・ひろし)副村長に対しても辞職勧告決議案が提出されました。
村議たちは、その理由として村の温泉施設をめぐる未払金の問題や、職員に対する発言などを挙げ、「問題を先送りして何も解決せず、村長の資質を欠く発言で村民や議会、職員に大きな混乱を招いている」と指摘しました。

提出に賛成した村議「職員に対する発言、私はそれを聞いた時に唖然とした。課長そしてその部下の職員に対する協議対応、本当に悔しくてなりません」
そして、採決されました。

議長「起立多数です。したがって本案件は原案のとおり可決されました」
議長と欠員を除く8人のうち7人が賛成し、反対は1人でした。
球磨村で、村長に対する辞職勧告決議案が可決されたのは初めてのことです。
採決後、松谷村長が報道陣の取材に応じました。

球磨村 松谷浩一村長「辞職勧告決議については議会が議決された内容なので、深く受け止めたいと思います」
自身の進退については「支援者などと相談し判断したい」として、早ければ24日の村の課長会で明らかにする考えを示しました。

政治学が専門の熊本大学の伊藤洋典教授が実際に議会の傍聴をしていました。伊藤教授は今回の辞職勧告決議案について「議会が村長に対してしっかりとチェックするということが示された形となったのでは」と話しました。

ただ一方で、「村長と職員の関係の溝が深い場合は今後の村政に影響がでることも考えられる」とも懸念をしたうえで「信頼関係の回復が重要」とも述べました。