緊迫する中東情勢です。アメリカの軍事介入をめぐって緊張が高まる中、ギリギリのかけひきが続いています。こうした中、イスラエルでは日本人の避難が始まりました。

記者
「退避を希望する日本人がヨルダンへと待避をします。バスに乗り込み、まもなく出発します」

イスラエル中部テルアビブでは現地に住む人や、出張のために訪れていた人たちの移動が始まりました。

出張でイスラエルを訪れていた男性
「今朝もテルアビブ市内で着弾があったり、ちょっと被害が拡大しているような印象もあったので移動を決めました」

イスラエルでは民間航空機の運航が停止していることから、船でギリシャやキプロスを目指す人々が増えています。

ギリシャに避難する人
「双方の衝突が理由でここを去ることを決めました」
小型船の運航管理者
「みなさん、小さな子ども、家族がいます。ここ数日は情勢が良くないですし」

19日もイスラエルとイラン双方の攻撃が続いていて、両国で被害が拡大しています。

アメリカがイランへの攻撃に踏み切るかが大きな焦点となる中、こんな報道が。

ウォール・ストリート・ジャーナル
「トランプ大統領がイラン攻撃計画を承認した」

ただ、イランに核開発を放棄する意思があるかどうかを見極めるため、最終的な命令は保留していて、攻撃参加の可能性を示すことでイランに譲歩を迫る狙いがあるということです。

アメリカ トランプ大統領
「やるべきことは考えているが、最終決定はしていない。最終決定は期限の直前に下すことが好きだ。状況は変わるからだ」

イスラエルのイランへの攻撃はいつまで続くのか。

かつてイスラエルの情報機関「モサド」で分析官をつとめていたシンクタンクの研究員は…

イスラエルのシンクタンク研究員 シマ・シャイン氏
「最大の課題はイランの核開発計画を完全に破壊できるかです」

シャイン氏はイスラエル単独での核開発計画の完全破壊は不可能で、アメリカの関与が欠かせないといいます。

また、イスラエルはイランの最高指導者ハメネイ師の殺害の可能性を排除していませんが、殺害による体制の転換は困難だといいます。

イスラエルのシンクタンク研究員 シマ・シャイン氏
「(次の)指導者として認められるリーダーがいません。人々はこの政権を嫌っていますし、それは疑いようがありませんが、体制転換までは長い道のりです」

こうした中、ニューヨーク・タイムズは、イランがアメリカとの早期の対話の実施に応じる見通しであると報じました。

また、イギリス・フランス・ドイツの外相は20日にスイスで、イランのアラグチ外相と核開発問題をめぐり協議する方針だということで、ギリギリの外交努力が続けられています。