世界のトップ18チームが参戦しているバレーボールネーションズリーグ。前回、銀メダルの男子日本代表(世界ランク4位)は、フランスを2021年東京オリンピック™金メダルに導いたロラン・ティリ氏(61)を新監督として迎え、第1週の中国ラウンドを3勝1敗で終えた。首位ポーランドに次いで暫定2位につけた新生日本代表。ここまでの戦いで見えてきたポイントについて、元日本代表の福澤達哉さん(38)に話を聞いた。

福澤達哉:今、パリ(五輪)まで戦ったメンバーっていうのはある種、ベースを作っている選手たち。そこに対してティリ監督は、どういった選手を足していけば、さらに前に進めるのかっていう所を見ていく中で、このネーションズリーグは、新戦力を発掘するという意味においても、積極的にいろんな選手を使っていっている。若い選手を使っていっている。

福澤さんが特に注目している選手

福澤:私の注目選手は、甲斐(優斗)選手です。日本人選手で世界のスケールを持った、これからどんどん伸びしろのあるというか、そういった期待の持てる選手。

甲斐優斗選手

身長2mでポジションは石川祐希(29)、髙橋藍(23)と同じアウトサイドヒッターである21歳の大学生、甲斐優斗。世界ランク1位・ポーランドとの試合では、チームトップの18得点を記録した。

福澤:やっぱり2mっていう身長でアウトサイドヒッターをやる。あの石川選手でさえ、「今何が一番欲しいですか?」って聞くと「身長が欲しいです」って言う。髙橋藍選手が180cm台(188cm)ですよね。で、石川選手が192cmっていう所で、唯一2mを超えた選手が入ってくる。これは非常に大きな武器になると思うんですね。

福澤さんは、日本代表に足りなかった「高さ」が生きた甲斐のプレーがあったと言う。

福澤:甲斐選手が中国ラウンドで光ったプレーは、ポーランド戦のスパイクになります。

世界ランク1位のポーランドとの一戦。セットカウント0-2で迎えた第3セット、1-1の場面で、平均身長201.3cm(※身長はリベロを除く)のポーランドのブロックをもろともせず、甲斐がスパイクを決めた。

福澤:(甲斐選手との)マッチアップが、ポーランドのオポジットの選手(※身長208cmのK.ササク(28))。一番高さのある選手が、甲斐選手の前に立ちはだかっているんですよね。単純に「高さVS高さ」の勝負に勝ってるんですよね。明らかにオポジットのブロックの選手の上から、レフトの攻撃で(スパイクを)打っていくっていう。この高さを、力を持っているっていう選手が一人、日本に加わることによって、攻撃の厚みと広がりっていうのが生まれてくるので。これが甲斐選手がコートに入る一つの大きなメリットなんじゃないかなと思います。ぜひとも世界のトップ、日本で試合に出るとか、そういうスケールではなくて、世界のトップの選手に上り詰めていく、それだけのポテンシャルを秘めた選手だと思いますから、そういった所も含めてどう成長するのかっていうのは、期待して見ていきたいですね。

第2週はブルガリアのブルガスで行われ、初戦は26日(日本時間)に地元・ブルガリアと対戦する。

第2週の日程(全て日本時間)
6月26日 日本VSブルガリア
6月26日 日本VSフランス
6月27日 日本VSウクライナ
6月29日 日本VSスロベニア