核の脅威を取り除くためとして攻撃を始めたイスラエルの狙いは達成されつつあるのでしょうか。イラン情勢に詳しいイスラエルのシンクタンクの研究員がJNNのインタビューに応じ、現状について語りました。
イスラエルのシンクタンクの研究員で、かつては情報機関モサドで対イランの分析官を務めていたシマ・シャイン氏は、イスラエルのよるイランへの攻撃についてこう評価します。
シマ・シャイン氏
「イスラエルの成果という観点では、現在の状況は良好に見えます。しかし、最大の課題はイスラエルが(イランの)核開発計画を完全に破壊できるかどうかです」
シャイン氏は、これまでのところイスラエルの作戦が成功しているとしています。しかし…
シマ・シャイン氏
「イスラエルが(イランの核)計画を完全に破壊することは不可能です。これは未来における大きな疑問符がつきます。なぜなら、この衝突後にイランが核兵器開発を再開し、核兵器開発を急いだ場合、彼らはそれを成し遂げるでしょう」
シャイン氏は、イスラエル単独でイランの核開発計画を完全に破壊することは不可能だと分析します。目的の達成には、イランの核開発の中核ともいわれる中部フォルドゥの核施設への攻撃など、アメリカの関与が欠かせないと話します。
シマ・シャイン氏
「イラン側は(アメリカが)攻撃した場合、当然ながらペルシャ湾の米軍施設に対して報復すると脅しています。これは非常に劇的な決断であり、今後の2日間が極めて重要な局面となるでしょう」
今回の衝突以降、ネタニヤフ首相はイランの最高指導者ハメネイ師の殺害についても可能性を排除していません。反イスラエルの姿勢を貫く現体制からの転換を目指す狙いがあるとみられますが、シャイン氏は困難だと指摘しています。
シマ・シャイン氏
「過去数十年間で、外部からの軍事攻撃によって体制を転換した例はありません」
「外部からの武力では実現なく、イラン人自身による内部からの変革でなければ成功しない可能性が高い」とするシャイン氏。さらに、こうも指摘します。
シマ・シャイン氏
「組織化された(現体制への)反対派はいません。指導者として認められるリーダーもいません。人々はこの政権を嫌っていますし、それは疑いようがありませんが体制転換までは長い道のりです」
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