いま、韓国では昔からあるスイーツが品切れ続出の大ヒットとなっています。その理由は暑さだけではないようです。

韓国の大手カフェチェーン「メガコーヒー」。

「あった!」

お客さんが驚く理由は、ある商品が売り切れていなかったからです。小豆をのせたかき氷「パッピンス」。韓国の伝統的なスイーツです。

記者
「ミルクと小豆が絡み合い、シリアルの歯ごたえもたまりません」

今年、カフェチェーン各社が「パッピンス」の新商品を発売。いずれもカップに入っていることから「カッピンス」と呼ばれ、品切れ続出の大ヒットを記録しています。その理由は…。

まず、氷には牛乳を混ぜ込み、若い世代に合わせて濃厚な味わいに。専用の容器を作らず、店舗にあるコーヒー用を使います。

記者
「これなら手軽に片手で持ち運べます」

カップを使う理由は他にも…


「(これまでの)かき氷は量が多すぎて、一人では食べられませんでした」

韓国では、伝統的に大皿をみんなでシェアするのが一般的でしたが、最近は一人で食事する人が増加。あえてサイズを小さくしたことで「お一人様」需要を取り込みました。価格も500円ほどに抑え、物価高騰で高まる節約志向に応えます。

メガコーヒー イ・テギュ チーム長
「私たちが考えていた以上の反応を得られています」

韓国ではレトロな菓子に“ニュー”、「新しい」要素を加えた「ニュートロ」と呼ばれる商品のヒットが相次いでいます。

インハ大学 イ・ウンヒ教授
「(ニュートロは)高齢者の昔の思い出や、感性をよみがえらせる。若い世代にとっては昔の物や、食べ物が新しく感じられる」

コーヒーに比べると具材が多く、作る工程が複雑だという「カッピンス」。店員からのこんな投稿も話題に…

「作る作業が夢にも出てくる」

冷たい「カッピンス」に熱い視線が注がれています。