「お供馬の走り込み」で知られる愛媛県今治市菊間町の加茂神社で「お供馬結婚式」が16年ぶりに開かれ、地域住民らも祝福しました。

加茂神社で毎年、秋に行われる「お供馬の走り込み」。
600年以上の伝統を誇る県無形民俗文化財で、子ども達が馬に乗り込み参道を駆け抜けます。

「お供馬結婚式」では、新郎新婦がこのお供馬に乗って、式場の社殿まで向かいます。
新郎の岡本竜馬さん(23)は地元出身。
お供馬の馬主の家系で生まれ育ち、自身も1歳から15歳まで乗り子を務めました。

新郎 竜馬さん
「これは何かの縁かなと。馬は、家族みたいな感じでやってきたので馬で結婚式ができてうれしい」

一方、新婦の歩奈(あゆな)さん(23)は和歌山県出身。
2人は北海道にある、競走馬を育てる牧場で出会いました。

新婦 歩奈さん
「自分も馬に乗っていたので、馬で結婚式できるのいいなと思っていた」

「馬」と「愛」を育んできた2人です。
…社殿へと向かう道中では、新郎の祖父、俊吾さんが花向けにお供馬の歌をうたい、また、地域の人たちも訪れ夫婦の門出を祝いました。

新郎 竜馬さん
「よかったの一言」

新婦 歩奈さん
「貴重な経験でした」

夫婦
「幸せな家庭を築いていきたい」

実は、竜馬さんの父・誠篤(せいとく)さんも、26年前に初めて、お供馬結婚式をあげました。

新郎の父 誠篤さん
「自分達がやったことを同じようにやってくれる、引き継いでいってくれるのがよかった」

16年ぶりに「結婚式」が営まれた一方、祭りは今年も10月19日に開催される予定で、伝統をまた1つ重ねます。

新郎 竜馬さん
「4月に誕まれた息子、桜馬(はるま)が今年の祭りで馬に乗ってくれると思うので楽しみ。もっと祭りを盛り上げられたら」