カリフォルニアのデモの参加者には、メキシコ国旗を持つ人もいます。トランプ大統領は「外国の旗を掲げている」などと批判していますが、実はこれ、カリフォルニアと歴史的に深いつながりがあるのです。
カリフォルニア州の歴史

19世紀ごろのアメリカでは、現在のカリフォルニア州はメキシコ領でした。その後、メキシコがアメリカとの戦争に負け、1848年にアメリカに割譲されたのです。
ちょうどその年、この地で起きたのが「ゴールドラッシュ」。大規模な金鉱が発見され、一攫千金を夢見た人々が陸続きの中南米などから押し寄せ、1万人程度にすぎなかった人口は、10年ほどで38万人まで激増しました。そんな歴史から「移民が作った州」とも呼ばれているのです。
カリフォルニア州のイマ

現在も、州政府のホームページでは「ウェルカム」と、文字どおり移民を歓迎。トランプ大統領は「不法移民は犯罪者だ」と主張しますが、カリフォルニア州政府は「アンドキュメンティッド・イミグランツ=書類のない移民」と呼び、ビザなど正式な滞在資格を持っていない移民という認識なのです。
カリフォルニアは移民希望者の基本的な権利を保障する「聖域州」とも呼ばれていて、“書類のない移民”でも▼差別なく、安全な環境で働く権利や、▼会社を経営する権利も保障。また、州として▼連邦政府の強制送還にも協力しないとしています。

こうした政策を背景に、外国生まれの人は実に人口の3割近くの1000万人を超えていて、そのうち227万人は“書類を持たない移民”です。
そして移民全体の労働力はカリフォルニアの経済を支えていて、農業では6割以上、製造業や建設業でも4割以上を占めています。