不正融資問題に揺れるいわき信用組合が経営陣を一新です。福島県いわき市で、組合員の代表が出席する総代会が開かれ、新しい理事長に金成茂経理部長が選ばれました。
13日に開かれた総代会の冒頭、いわき信用組合の本多洋八前理事長が「極めて重大な不祥事を起こした」と謝罪しました。
いわき信用組合 本多洋八前理事長「改めて深くお詫び申し上げます。本当に申し訳ありません」
約20秒間にわたり、深々と頭を下げました。いわき信用組合は、不正融資問題で経営責任をとり、役員7人が辞任を表明しています。総代会は急遽、いわき市の内田市長も出席しました。
いわき市内田広之市長「経営陣の皆様には、ぜひ調査にご協力いただき、色々な事実をつまびらかにしていただき、協力していただく。それが復活・再生の第一歩だと思っています」
総代会は冒頭を除いて非公開で行われました。
出席した総代(70代)「本人(江尻前会長)が一番知っている人が出てきてほしいが、出てこないもの」
総代会のあとの理事会では、新しい役員7人の中から生え抜きの金成茂経理部長が新しい理事長に選ばれました。
金成新理事長はいわき市出身で、組織内部で経営に関わった経験などが評価されたと見られます。
金成新理事長「企業風土を改善していかなくてはいけない。物申せない組織体制がありました。生え抜きのものがなることによって、風通しのよい組織を作れるのではないかと思っている」
新しい理事の中には、外部からの非常勤理事として公認会計士の丹野勇雄氏と社会保険労務士の奥瀬円氏も含まれます。外部からの監視の目を強めるため、非常勤の役員をこれまでの4人から6人に増やしました。
いわき信用組合が設置した第三者委員会の調査では、預金者名義の口座を無断で開設するなどした不正融資は、およそ20年間で少なくとも247億円にのぼります。
東北財務局は、業務改善命令を出していて、6月30日までに改善計画を提出するよう求めています。また、いわき信用組合は、これまで、名義を無断で使った人に対し、役職員が直接訪問してその経緯をはじめ、時期や金額について説明し、謝罪をすると発表しています。