須坂市のふるさと納税の返礼品に産地偽装があった問題で、総務省は13日、基準に違反したとして、須坂市の指定を取り消しました。
村上誠一郎総務大臣:「ふるさと納税制度に対する信頼を損ないかねないものであり大変、遺憾」

総務省は13日、ふるさと納税の対象となる自治体から、須坂市の指定を取り消しました。
一連の問題をめぐっては、市の返礼品を扱っていた「日本グルメ市場」が、山形県産や中野市産などのシャインマスカットを須坂市産と偽っていたことが今年3月に発覚していました。
指定の取り消しを受けて市民らは…。
市民:「しょうがない、悪いことをやったんだから」
須坂市出身の人:「ふるさと納税で、須坂のりんごとかブドウを頂いていたが、結果的には須坂市のイメージが崩れた感じ。ふるさと須坂で育ってきたから非常に残念」
須坂で働く人:「(須坂の)景気がどうなるのか不安ではある。どうやって復活できるのか行政に考えてもらいたい」

指定取り消しの理由となったのが、「地場産品基準」です。
返礼品は自治体の区域内で生産されたものというルールがあり、基準に沿わないおそれがある場合は速やかに実地調査などを行うことが求められています。
しかし須坂市は、去年12月に問題を把握したあとも、今年3月の発覚まで、調査していませんでした。

今回、違反と認定されたのは、おととし10月から今年3月までのおよそ22トン、寄付金額にして総額30億円余りです。

市は午後、会見を開き三木正夫市長が謝罪しました。
三木正夫須坂市長:「関係の皆さんに心からお詫びを申し上げます。今後については、これを反省として将来どうすべきか、ふるさと納税の在り方、須坂市にとってプラスになるよう努力していきたい」

制度から除外される期間は、今月17日から2年間。農家からは、落胆の声が聞かれました。
農家 吉池拓也さん:「やっぱりなったか…という感じ。あやふやにしていたからその代償じゃないが食らったのかなと思う」
シャインマスカットを栽培する吉池拓也さん。
ふるさと納税で出荷していた量はわずかなため、影響は少ないといいますが、今後は、オンライン販売などで売り上げをカバーする予定です。
農家 吉池拓也さん:「一日でも早く須坂市のブランドを取り戻せるようにしてもらいたい」

問題を受けて進退を問われた三木市長。
これまでのふるさと納税の実績をあげて、今回の一件は、不祥事ではないと強調しました。
三木正夫須坂市長:「今までの私のやってきたことを判断してもらいたい。判断ミスと言えば判断ミスだが、不祥事とは違う、市のために良かれと思ってやったことが判断ミスだった。私利私欲ではないと理解いただきたい」