瀬戸内の島々などを舞台にした3年に一度のアートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」がきのう(6日)閉会しました。新型コロナの中で開かれた芸術祭は、大規模イベントの新たな在り方などを示しました。

「瀬戸芸2022お疲れ様です」



春、夏、秋と3つの会期、105日間にわたって行われた「瀬戸内国際芸術祭」はきのう(6日)の閉会式で幕を閉じました。

「また3年後に会いましょう」



世界のアーティストによる214の作品が展示された5回目となる瀬戸内国際芸術祭。全国から多くの人が訪れました。


(来場者)
「島とかにある自然のものとかを使っているので」

「目線を変えるだけでいろいろなアートが見られるのは楽しい」

ただ、今回はいままでと違う状況が。新型コロナの感染が広がる中、初めての開催でした。

「芸術祭で女木島に行かれる方、検温がまだの方、こちらで行っています」


港や会場に検温スポットを設置するなど徹底的な感染対策が取られました。


(坂本良太郎記者)
「感染拡大を心配する声が出る中、室内の展示会場には新たに換気用のサーキュレーター50台以上が追加されました」

一方で、賑わいを見せる島に住民からは不安を感じる声もあがりました。

(女木島の住民)
「しょうがないな、あまり来ない方がいいけど。無事に終わってくれたら」



また大きく影響したのがインバウンドです。前回は来場者の2割以上を占め、香川で宿泊する人も目立ちました。今回は水際対策により大幅に減少したとみられています。ゴールデンウィークでもホテルに空き室がありました。


(東急REIホテル 南孝典マネジャー)
「部屋の稼働、集客が伸びてきていないなと。私たちの期待値とは違う部分があるかなと」

結局、春、夏会期の来場者は前回から約4割減り、41万人余り。秋会期も前回を大幅に下回るとみられています。ただ、感染対策を徹底した効果で、来場者の感染者は1人だけでした。


(池田豊人香川県知事)
「こういう大規模イベントの時の新しいスタイル、モデル。こういったものを示していけたのではないか」

前回約180億円あった経済効果も減少したと見られますが、訪れた多くの人に瀬戸内の魅力を伝えました。

(来場者)
「久しぶりに来たんですけど、いいですね。瀬戸内はすごく絵になるところがいっぱいあって」

「またあるんですよね、2年後か3年後に楽しみにしてますんで」

(池田豊人香川県知事)
「これからインバウンドも増えてきますので、来年、再来年も来てもらえるように工夫を考えたい」

芸術祭の開催期間外にも作品を鑑賞できる仕組み作りの検討も始まっています。


3年後の6回目にいかにつなげていくか、“アート県香川”の今後の課題と言えそうです。