最近の「ふるさと納税」は、モノばかりでなく、『体験する』返礼品も増えています。変わる「ふるさと納税」を取材しました。

飛行機の最終便も到着し、営業を終えた熊本空港。いつもならヒトの気配がないはずの空港に、人の姿がありました。その目的は・・・

空港の立ち入り禁止エリアなどを特別に見てまわれる「夜の飛行機見学会」です。

参加者「夢が叶いました、ありがとうございます」

日本航空の旅客機、「ボーイング767」に乗り込んだ人たちは、普段は入ることができないコックピットや、誰もいない客室に興奮を抑えきれません。

さらに現役のパイロットに直接、話を聞けることもツアーの魅力の一つです。

参加者「手を振る人がいるが見えるのですか?」
パイロット「めちゃめちゃ見えます、顔まで見えます。今日はたくさん手を振ってくれる人がいると思ったら、嵐ジェットだったり大谷翔平だったり」

駐機場に降りると大きな機体を間近に見ることもできました。参加した人たちにとって忘れられない体験になったようです。

参加者「最高でした。特にパイロットの席に入れて、見せていただけたのが良かったです」
参加者「毎回毎回、来ると新しいことを教えてくれるのでそれが楽しいです」

しかし、実はこのツアー、一般に販売されているものではありません。

参加者「ふるさと納税のサイトで」
参加者「ふるさと納税で見たので」

これは日本航空と協定を結ぶ熊本県益城町の「ふるさと納税」の返礼品で、10万円を寄付した人が招待されました。

益城町役場 三井奈奈子さん「益城町を知っていただく、益城町を知った上でJALを利用して益城町、熊本に行ってみようという相乗効果が出ればいいなと考えている」

このような体験型の返礼品は近年、需要が高まっています。ふるさと納税サイト、「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクによりますと、2020年と比較すると4年間で寄付額は約2倍に増えたということです。

トラストバンク 河手佑天さん「コロナ禍を経て人々の価値観がモノ消費からコト消費に変化してきた。実際に体験することでの価値が再認識されるようになって地域の魅力が体感できる体験型ツアーのニーズが高まってきている」

また、体験型の返礼品の満足度は約95%で、さらに9割以上がリピーターになっているというデータもあります。

トラストバンク 河手佑天さん「実際に現地を訪れて地域の人と交流し、土地の文化や自然に触れることによって、地域への理解や愛着が高まるという側面が大きい」