福島県内のスーパーで徐々に備蓄米の販売が始まるなか、いわき市のコメ販売店では、備蓄米の申し込みを行っています。しかし、いまも入荷されておらず、販売の目途は立っていないといいます。
いわき市小名浜の「相馬屋」は、100年以上続く老舗のコメ販売店です。店頭には、銘柄米がずらりと並んでいますが、価格はほとんどが5キロで4000円台。去年の仕入れ量が少なかった影響で、現在は、販売量を制限して対応しています。相馬屋では5月、2021年産の備蓄米、いわゆる「古古古米」を12トン申し込みました。
相馬屋・井塚雄三さん「消費者も安いお米が欲しいのではないかということで申し込みました」

しかし、いつ入荷するかはまだ連絡がなく、販売時期は未定だといいます。
相馬屋・井塚さん「12トン大丈夫ですよという通知が国から来たが、まだいつ入荷するか分からないので待っている状態です」
今後、入荷した古古古米は、精米して5キロ1700円前後で販売する予定です。
随意契約の備蓄米が出回るようになって、コメの市場価格は下がってきているということですが、相馬屋では、これまで高い相場で仕入れた銘柄米の価格は、急には下げられないといいます。急な価格高騰にとまどいを感じる中、国や農業政策に望んでいることは、生産者の育成とコメがなくならないような政策です。

相馬屋・井塚さん「価格が高くなったことは生産者にとってはいいことだと思う。国にお願いしたいのは生産者の育成とコメがなくならないような政策・価格も安定すること」