「年間1万件」

これは熊本市の土木センターに寄せられる道路や河川に関する通報件数です。

この対応を強化するため、熊本市はメッセージアプリLINEを使った通報機能を導入しています。熊本市民の困った!に応える「LINE市民通報」とはどんなものなのでしょうか?

記者「やっぱりここ見えづらいです」

熊本市中央区島崎の市道。信号機の一部が街路樹で隠れています。

記者「この通り、緩やかにカーブになっているので木が生い茂っていることで信号が見えにくくなっているようです」

こうした困りごとや、道路や河川などで市民が気づいたことに対応するのが熊本市の「LINE市民通報」です。

中央区土木センター維持課道路班 岩本達也主査「写真を送ってもらうので、作業の度合いなどを想定してすぐに対応にとりかかれるメリットがある」

LINE市民通報は、道路の損傷や、のり面の異常、水道の漏水など、市民がスマートフォンから直接通報できる機能です。

熊本市は2021年4月に運用を始め、この4年間で1720件の情報が寄せられました。

2024年度だけでも600件を超えています。例えば・・・

通報例
「遊具のネットが破れて、穴があいている」
「水路の転落防止柵がぐらついている」
「けしの花のようなものが、咲いている。除草してほしい」
と言ったもの・・・

中央区土木センター維持課道路班 岩本達也主査「熊本市が管理する道路、公
園、河川に関するものであれば全て受け付けています」

そこで、記者が運転中に気になった、信号機の一部が街路樹で隠れていた場所を実際に通報してみました。

熊本市の公式LINEアカウントから通報内容を送信します。

緊急性が高いものについては通報があった当日や翌日には対応にあたります。

今回の場合、信号機が見えづらく、事故に繋がる恐れもあるとして、熊本市は緊急性が高いと判断。通報の翌日、市の担当者が現場に駆け付けました。

通報で最も多いのが『道路』に関する内容です。路面の穴や段差、除草や剪定などの通報が寄せられています。

作業開始から約20分。信号機が見えるようになりました。

作業員「かなりすっきりしました」
中央区土木センター維持課道路班 岩本達也主査「下枝を落として、信号ばっちり見えるようになりました」
記者「木の剪定が終わったので実際に走行してみます。全然違います。すっきりしました。信号機をしっかり確認することができます」

この変化には住民も・・・

近隣住民「昨日見た時よりはこっち側が切ってある」
近隣住民「信号機が見にくいってみなさんおっしゃっています。木が茂りすぎているから。カットされたんですね、見やすいと思います」

LINEでの通報は、正確な位置情報や写真で現場の状況が確認できるため、電話での通報より迅速な対応が可能です。

熊本市土木総務課推進班 建川志保主任主事「みなさんの一報が町の安全に繋
がるので気づいたときに気軽に通報してほしい」

この「LINE市民通報」は、熊本市の公式LINEアカウントを登録していれば誰でも通報できます。ただ、通報内容が国道など管轄が国や県の場合は熊本市では対応できません。

その時は、LINEの返信機能で連絡があるということです。

こういったLINEを使った通報システムは、合志市や玉名市、西原村などでも活用されています。熊本市の担当者も「地域住民の一報が町の安全に繋がるため気軽に通報してほしい」と話しています。