5月21日に就役したばかりの海上自衛隊・最新護衛艦「によど」が艦名の由来、高知で初めて一般公開されました。艦長が語るお気に入りのポイントなどをリポート!

7日の午前9時前、高知市・高知新港の駐車場には愛媛、徳島など四国はもちろん千葉や東京など遠方のナンバーの車も見られ、岸壁には老若男女が長蛇の列を作っていました。

みなさんのお目当てはもがみ型護衛艦「によど」。「によど」は5月21日に就役したばかりの海上自衛隊最新護衛艦で一般公開は今回が初めてです。

「によど」という艦名の由来は高知県と愛媛県を流れる一級河川・仁淀川。「仁淀川のように地元に愛される艦になってほしい」などといった理由から命名され、ロゴマークにも光り輝く「仁淀ブルー」のイメージがデザインされています。

高知由来の艦名は敷設艦「むろと」以来、およそ10年ぶり。今回、初の一般開放の地に高知が選ばれたのは名前の由来となった場所へ最初に入港するという海上自衛隊の伝統からだそうです。
7日の一般公開には開始から約30分で900人ほどが訪れました。

「によど」艦長の渡邊大志郎二等海佐に「によど」のお気に入りポイントや今後の活躍についてお話を聞きました。

▼護衛艦「によど」渡邊大志郎艦長
「日本の技術力の粋がつまったような船ですので『海上自衛隊の船もここまで発展したんだな』『今までの船とは違う』というところを見てもらって、今までの護衛艦にないような掃海機能も加えられていますので一つの船でいろんな任務に対応しているんだというところを理解していただければと思います」
「によど」など「もがみ型」護衛艦の艦種記号は「FFM」。これはFrigateMultifunctional(多機能)とMine(機雷)を表す新しい艦種記号で、「によど」は従来の護衛艦の機能に加えて対機雷戦を含む多様な任務への対応能力を兼ね備えています。
そんなこれまでにない新しい船「によど」の艦長お気に入りポイントは?
▼護衛艦「によど」渡邊大志郎艦長
「やはり船の形状ですかね。今までの護衛艦とは違って新しい時代の護衛艦ということが形状を見たら一発でわかると思いますので」

「によど」の特徴の一つはステルス性です。「によど」はステルス化のため反射面積が少なく設計されていて、平らな独特の船体構造をしています。

省人化も特徴で乗組員数は従来の半分ほどの約90人となっています。
また、魚雷などを縦方向に発射する垂直発射装置(VLS)が最初から搭載されている点もほかの「もがみ」型護衛艦との違いだということです。
就役して間もない「によど」。今後は日本周辺の警戒監視などの任務に就くということですが、現在はまだ訓練を重ねていく段階だということです。

▼護衛艦「によど」渡邊大志郎艦長
「今後の活躍としては日本海周辺の警戒監視や各国海軍との訓練といった外交面も含めた行動もあります。そういった任務がしっかり果たせるようにまずは訓練を通じて各人の能力を上げてチームワークを磨き、任務に対応していって安全保障に対応できるように貢献していきたいと思います」
「によど」の一般公開は8日も行われる予定です。(午前9時~午前11時半)

護衛艦「によど」
・基準排水量3900トン
・寸法長さ133M 幅16.3M
・馬力7万馬力
・速力30kt以上
・乗員約90人