日米の関税交渉が続くなか、アメリカのジョージ・グラス駐日大使は、「日米同盟はいかなる貿易交渉よりもはるかに大きな存在だ」と述べ、関税交渉によって日米同盟が揺らぐことはないという考えを強調しました。

ジョージ・グラス駐日大使
「日本は私たちにとって最も重要な地域における最も重要なパートナーです」

今年4月に着任したアメリカのグラス駐日大使。

きょう、都内で開かれたイベントで演説し、日米同盟の重要性をあらためて強調しました。

その上で、現在、行われている日本とアメリカの関税交渉に言及し、「日米同盟に弊害が出るとみる人がいることは承知しているが、それはまったくの誤解だ」と述べ、「同盟はいかなる貿易交渉よりもはるかに大きな存在だ」として、日米同盟の強さは関税交渉の対立を超えると強調しました。

さらに、中国の影響力が増すなか「中国の侵略を抑止することが、自由で開かれたインド太平洋を維持するために重要だ」との考えを示しました。

その上で、「日本は地域の安全保障において主導的な役割を果たす決意を示してきた」と評価しつつも、「アメリカと共にシステムや装備を共同で開発し、緊密に軍事協力を進め、抑止力を強化していく必要がある」と述べました。

経済面では、「中国は世界のレアアースの9割を支配している」としたうえで、日本とアメリカが技術革新の最前線に立ち続けるためには、資源の偏在を是正し、中国依存からの脱却を進めることが必要だと指摘しました。