夏の参院選を控え、有権者の最大の関心事は「物価高対策」です。総理は「困っている人に、十分に行き渡る物価高対策を考えている」と言いますが、どのような対策が打ち出されるのでしょうか。

「政治生命をかける」“反対の立場”森山幹事長の発言で減税求める声はトーンダウン

高柳光希キャスター:
石破総理は、物価高対策を考えているといいますが、結局、何をやろうと考えているのでしょうか。

TBS報道局政治部堀宏太朗記者:
自民党内ではつい最近まで、消費税の減税をするかしないかで議論が続いていましたが、現在では、消費税の減税を求める声は消えました

JNNは、政府が6月にまとめる“骨太の方針”の原案を入手しました。

骨太の方針とは、来年度の予算編成に向けて政権の重要課題や政策の方向性について示す文書で、毎年6月ごろに閣議決定されます。

今回の原案では「財源の裏付けのない減税政策はやらない」と、はっきりと示しています。さらに、「賃上げこそが成長戦略の要」だとしています。

政府はよく「物価上昇に負けない賃上げが大事」と言っていますが、そうした中長期的な視点を持ち、経済成長を促進しようという考えを持っています。

減税の声が消えた理由は、自民党の森山幹事長です。消費税の減税について反対の立場をとっていて、「政治生命をかけてでもこの問題に取り組む」と発言しました。

幹事長は、自民党では“影の総理“と言われるくらいに絶大な影響力を持った人物です。

そういった人物が「自分の政治生命をかける」とまで言い切ったのは、党内で相当なインパクトを持って受け止められたと思われます。

参院の有力議員からも、減税の声は様々上がっていましたが、この発言を境にトーンダウンしていった状況です。