災害報道を通じて放送コンテンツの果たす役割を考えるイベントが、仙台で開かれました。
東日本大震災の発災時にtbcラジオでニュースを伝えた、元東北放送のアナウンサーらが「声で伝える意義」を語りました。

元東北放送アナウンサー 藤沢智子さん:
「不安な気持ちを少しは減らしてあげることができるのは、ラジオの大きな役割だったかなと」

仙台市青葉区で開かれた「東北映像フェスティバル」では、元放送局のアナウンサーが、パネルディスカッションで災害時のラジオの役割を議論しました。

2011年の東日本大震災発生時、東北放送のアナウンス部長だった藤沢智子さんは、発災後、情報がない中、24時間態勢で放送を続けた当時の過酷な状況を語りました。

また、トラックで沿岸部に向かっていたリスナーが、ラジオを聞いて引き返し助かったというエピソードから「声」で伝えることの意義を語りました。

元東北放送アナウンサー 藤沢智子さん:
「普段の私を知っているリスナーが、震災の時の私の声を聞いて『これは大変なことなんだ』と。普段の藤沢さんと声のトーンもしゃべり方も違って、緊迫した感じがあって『これは大変なんだ』と」

2025年は、日本でラジオ放送が始まって100年目の節目です。今回のイベントは、震災を経験したアナウンサーの証言を通して、放送の在り方を見つめ直そうと企画されました。