富山市の建設会社が、熱中症対策として腕時計型端末「カナリア」を導入しました。作業員の体温をリアルタイムで監視し、危険な状態になる前にアラームで休憩を促します。これにより「なっては遅い」という状況を防ぎ、義務化された職場での熱中症対策を徹底。作業員の安全と健康を守る新たな取り組みです。

記者「こちらの建設現場では、熱中症対策として作業員がこのような腕時計型の装置を装着しています」

富山市の松原建設が担当する工事現場。作業員が腕にしているのは熱中症対策用の端末通称『カナリア』です。

装着している人の体内の温度が38℃に近づき、熱中症の兆しが見られるとアラームが鳴り休憩を促します。

松原建設では、6月1日からこの『カナリア』を使って現場作業員の体調管理を行っています。これまでは、従業員の体調に異常があった場合、自己申告で休む方法をとっていました。しかし、松原建設の飛島栄寛さんは、次のように話します

松原建設 飛島栄寛さん
「現場の方で申告があった段階ではすでに危険レベルを超えているものが多くありましたので」「『(熱中症に)なっては遅い』という観点からより早く対応できる体制をとりたいということで今回のシステムを導入した形になります」

今月から職場の熱中症対策が義務化されていて、熱中症のおそれのある人を早く見つけて迅速に対処することなどが求められています。対策を怠った場合は、罰則が適用されることもあります。

松原建設では「カナリア」の導入により作業員の健康状態を事務所のパソコンやスマホなど遠隔からリアルタイムで把握することができるようになりました。

松原建設 飛島栄寛さん
「これだけの異常気温が続く中で現場の作業というのは年々厳しさが増している」「導入することによって作業員を守る、現場に従事する者の環境を整えるということが必要になってくると思っております」

その他の熱中症対策として自動車の内部を改装した移動式の休憩スペースも整備しています。

受け身の対策から予防型の対策へ。本格的な夏を前に、それぞれの企業が暑さ対策に知恵をしぼっています。