コメの価格高騰が続くなか、4日、小泉農林水産大臣が備蓄米を日本酒などの加工用への放出を検討すると表明しましたが、酒蔵はどう受け止めているのでしょうか。

老舗酒蔵主力商品を1割値上げ

RKB 土橋奏太 記者
「豊かな自然と清らかな水に恵まれたこの地の酒造りもコメの高騰により大きな影響を受けています」

福岡県みやこ町の林酒造場です。

江戸時代後期・1837年創業で約190年、この地で酒造りをしてきました。

しかし今、日本酒に欠かせない酒米の高騰に頭を悩ませています。

林酒造場 林龍平 代表(63)
「酒米の品種によっては、昨年の倍近く上がる酒米もあります。仕入れ価格がやっぱり15%から20%、さっき言ったようなもう本当に50%近く上がるとかいうようなですね。価格に変わってきてますので。我々みたいな小さな蔵になると、そんなにちょっと買えるようなお米じゃなくなってきてます」

林酒造では年間で約25トンの酒米を使っています。

このところの酒米の高騰により、2024年に比べ、費用が15%ほどかかる見込みということです。

そのため、6月から主力商品の価格を約1割値上げしました。

林酒造場 林龍平 代表
「値上げせずに頑張ってたんですけれどもどうしてもこういう状態になってですね。正直15%から20%ぐらいは値上げをしたいんですが、なかなかいきなりそこまで上げると...消費者の方もいろんな食品関係が全て上がっちゃって、アルコール飲料なんか本当に生活必需品の中で下の方なんですよね。だからどんどんどんどんそっちの方が後回しにされて消費の方が減ってくる。なんか悪循環が繰り返されていくような感じでですね、本当に心配しています」