意外に思えるかもしれませんが、実は『沖縄』なんです。
沖縄県石垣市の「白保竿根田原洞穴(しらほさおねたばるどうけつ・国指定遺跡)」から炭素年代測定で直接年代が特定されたものとしては国内最古、約2万7000年前の人骨が発見されています。
また那覇市の「山下町(やましたちょう)第一洞穴遺跡」からは、周辺の測定から約3万2000年前のものとみられる人骨が発見んされています。
日本本土で最古とみられている静岡・浜北人(はまきたじん)が推定1万8000年前とされているのと比べ、さらに1万年ほど古い人骨が沖縄で発見されてているのです。なぜか?
沖縄で古い人骨が出土するのは、その土壌に原因があります。
日本の国土の多くは火山灰を含む酸性土壌で、人骨が残りくいのに対し、隆起サンゴ礁でできた沖縄の島々にはアルカリ性の土壌があり(赤土などの酸性土壌も分布しています)骨が残りやすいため、とされています。
特に沖縄本島南部に多い「ジャーガル」と呼ばれる土は沖縄の代表的なアルカリ土壌です。
こうした沖縄で「日本で沖縄にしかない、沖縄でしか掘れない貴重な地層」と呼ばれる場所があります。
それが沖縄本島南部、南城市の「サキタリ洞」とよばれる遺跡です。1970年に発見され、これまで人類のルーツを探す発掘調査が行われていますー
発掘調査チーム 山崎真治さん
「こちらが約2万年前の発掘調査をやっている、サキタリ洞遺跡の発掘現場になります。港川人の時代は当時の人もおそらく、雨露を凌ぐことができるこういう場所をいろいろと利用していたんじゃないかと思うんです」

Qどうしてここに謎を解くカギがあると思うのか?
山崎さん
「港川人の時代の地層が見つかって、貝を道具に使っていることがこの場所ではわかっていて本土の旧石器人とは違う沖縄独特のライフスタイルがあったんじゃないかと考えているところです」

1970年。旧具志頭村港川の石灰岩のわれ目=港川フィッシャーから、のちに「港川人(みなとがわじん)」と名付けられる4体の人骨が見つかりました。旧石器時代の人骨がほぼ完全な状態で見つかったのは、アジアで初めて、まさに歴史上の大発見でした。
発見者 大山盛保さん
「ここからいい状態の1体が出た。穴の割れ目、そこにありまして。マッチを擦りながらやったら一番いい状態のやつが出たんです」
その4か月後には、東京大学の人類学者や考古学者たちからなる学術調査団がやってきて、本格的な発掘が何年も続けられましたが、暮らしぶりを裏付けるようなものは何も見つからなかったのです。

東京大学 小田静夫 講師(当時)
「考古学的に港川人はどこの人たちか、港川人が使った道具が見つかればすぐ判定できます。
出ないんですよ、いくら掘っても」
しかしその後、2万3000年前の世界最古の釣り針、2万年のカニなどが出土。『歴史の空白』は埋められるのか