自己破産手続きを進めている仕出し弁当販売の「ユニオン・ランチ」。4日、労働組合が会見を開き、社員全員に未払い分の賃金や退職金を支払ってほしいと訴えました。
労働組合 伊藤厚志さん
「従業員に未払い賃金、それから未払い退職金をしっかり確保して払ってほしい」

ユニオン・ランチの従業員らでつくる労働組合は県庁で会見を開き、会社に対し、未払いとなっている4月後半分と5月分の賃金を社員全員に支払うよう求めました。

県内の企業や、病院などに仕出し弁当や給食などを提供していたユニオン・ランチは、ことし4月、コロナ禍での販売減少や原材料費の高騰が原因で、突然の倒産。
自己破産手続きを開始し、先月末、従業員およそ140人全員が解雇されました。

ユニオン・ランチの遊道義則社長は、先月27日、組合に向けた謝罪文を出しました。
ユニオン・ランチ 遊道義則社長の謝罪文:
「私とともにユニオン・ランチの事業を支えてくださった社員の皆さまに対し、まさに恩を仇で返すようなものであり、誠に申し訳なく、経営者として痛恨の極みです」

組合によりますと、未払い分の賃金については、4月分は支給されず、5月分については支給される人と支給されない人が出る見込みです。
破産管財人からは、国の未払い賃金立替制度を利用してほしいと伝えられたということです。

非正規労働者が8割を占め、従業員には高齢者が目立ったというユニオン・ランチ。突然の倒産で、「暮らしが立ち行かなくなる」といった声が相次いでいるといいます。
組合では4日午後、県民会館でユニオン・ランチの従業員などを対象とした相談会を設置。
この日は2件の相談があり、「立替払い制度の手続きの仕方が分からない」「退職金が払われるか心配」といった相談があったということです。

この相談会は5日も正午から午後3時まで開かれる予定で、組合では今後も会社側と交渉を重ねていくとしています。
