痴漢の被害が増える傾向にある夏を迎え、一日におよそ300万人の利用客が行き交う新宿駅で、警視庁が痴漢撲滅を呼びかけました。

けさ、新宿駅では警視庁の警察官らが近くの大学や専門学校に通う学生などと一緒に駅の利用者にチラシを配って、痴漢撲滅を呼びかけました。

イベント冒頭の挨拶のなかで、吉住健一新宿区長は「私は男性ですが」と前置きし、自身が高校時代に電車内で痴漢被害に遭った経験を紹介。更なる被害の防止を訴えました。

新宿区 吉住健一 区長
「満員電車の中で、誰も助けてくれない状態で、『何で自分がこんな目に遭っているんだろう』と困惑した状態の中で数分間を過ごしました。痴漢というのは、人の一生にトラウマを与えて、本当に最低な犯罪だなと思っております」

警視庁によりますと、去年、都内で摘発された痴漢事件は725件で、このうち10代と20代の被害者がおよそ8割を占めているということです。

警視庁新宿署の佐藤雅一署長は「検挙されたのはおそらく氷山の一角であって、泣き寝入りしている事案も多くあると思われる」として、スマホの画面などで周囲に痴漢被害を訴えることができる防犯アプリ「デジポリス」などの活用を呼びかけています。