岐阜県瑞浪市でリニアのトンネル工事による、水位の低下などが起きている問題で、JR東海は3日、地域住民に「低下した水位の回復が見込めない」ことを明らかにしました。

岐阜県瑞浪市大湫町(おおくてちょう)にある、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事の現場周辺では、井戸などの水位の低下や、地盤沈下が確認され工事は一時中断しています。
JR東海は3日に住民説明会を開き、低下の原因であるトンネル内で湧き出した水について、岩盤の亀裂を薬剤でふさいで止める措置を検討していましたが、将来的に安全上のリスクが想定されるとして断念。低下した水位の回復が見込めないことを明らかにしました。現場周辺では、現時点で地盤沈下が最大で10.9センチの地点があり、今後さらに10~20センチ程度沈む可能性があるということです。
こうした中、JR東海は地域住民の生活に必要な水を確保するため、現場から北西にあるキャンプ場の跡地付近に新たな水源を設ける案や、工事の影響で地盤沈下したとみられる家屋について「適切に補償する」と説明しました。
その上で、JR東海は今後も調査を重ね、住民の理解を得たうえでトンネル掘削の工事再開につなげていきたい考えです。