死刑の次に重い刑罰「無期懲役」。現在、約1700人が収容されていますが、厳罰化で仮釈放が減り獄死するケースが増えています。ほとんど知られていない、“死刑を免れた男達”の今を取材しました。
死刑を免れた男達 仮釈放10年でわずかに3人 “終身刑化”が顕著に
塀の中に流れる読経。癌で死亡した受刑者の葬儀だ。

故人の生前については誰も語らない。
職員に見送られて霊柩車がひっそりと火葬場に向けて出て行く。
この時、病棟では重篤な無期懲役囚達が生死の境を彷徨っていた。
“獄死”がひたひたと迫る。
宮城刑務所。城跡の土塁の上に造られた高い塀が受刑者を威圧する。
塀の中にある天然記念物、臥龍梅。伊達政宗が朝鮮出兵で持ち帰ったとされる。

刑務所と棟続きの仙台拘置支所には、全国に7か所ある死刑場のひとつがあり、オウム事件の死刑囚の一人もここで執行された。

長期の受刑者、約500人が収容されているが、3人に1人が“無期懲役囚”、死刑を免れた男達だ。
仮釈放はここ10年でわずかに3人。“終身刑化”が顕著だ。