止まらない値上げの波ーー
11月から833品目が値上げ。さらに“電気料金値上げ”の動きも広がっています。これからやってくる寒~い冬に備える、節電ポイントを家計のプロに聞きます。
■食品だけじゃない!電気料金にも値上げの波

11月1日、東京電力は規制料金を含む全ての家庭向けの電気料金の引き上げを検討していることを明らかにしました。
私達が支払う「電気料金規制料金」は、値上げするのに国の許可が必要です。
東北電力、北陸電力、中国電力は、既に国に“値上げ”を申請済。四国電力、沖縄電力、東京電力は“検討”をしていて、国が規制料金の値上げを認めれば、東京電力は2012年以来10年ぶりの値上げということになりそうです。

そもそも、「電気料金規制料金」には国が設定した上限があります。
現在、大手電力会社10社全てがこの“上限”に達していて、超えた分は電力会社の負担になっているのです。
生活経済ジャーナリストの和泉昭子氏によると「今、電力会社は電気を売れば売るほど赤字の状態」なのだといいます。
恵俊彰:
東京は既に8月ぐらいから上限に達していて、(上限の)9126円で横ばいになってるんですね。これを国にお願いして上げてくださいよと。
和泉氏:
規制料金は上限があるので、今のところまだここまでで済んでいたんです。
コメンテーター 高橋みなみ:
(電力会社も)企業である以上赤字を回避するために値段が上がるのはしょうがないのかもしれないですけど、やはり家庭としては「まだ上がるの?」っていうことになりますよね。
■政府の支援策「使用量1kWhあたり7円」ってどれくらい?

電気料金値上げに対し、政府は支援策を発表しました。
2023年1月から【使用量1kWhあたり7円】が支援されます。これは“2023年度初頭に想定される、平均的な値上げ額の2割分相当”ということですが、どれくらい安くなるのかというと…
【標準世帯のモデル(11月・12月)東京電力の場合】
▶︎使用量:260kWh 支払額:9126円
1kWhあたり7円支援 支援額:1820円
支援後の支払額:9126円ー1820円=7306円
この支援について和泉氏によると「やらないよりやった方がいいが、家計目線で見れば『対策が遅い』」ということです。
和泉氏:
電気代って大体1か月から3か月ぐらい遅れて反映されてくるんです。(政府は)「将来のことを見て」って言いますけども、これでようやく今まで上がった分が相殺されるくらいで、ここから先の分にはならないんですよね。
特に冬になるとどうしても暖房を使うので、秋よりは冬が一番きつい。これでは厳しいなというのがありますね。何もしないっていうのよりはマシかなと思うんですけど、もうちょっと長い目線で考えて抜本的にやらないと難しいんじゃないかなと思いますね。