今、広島のシニアが熱いんです。70歳以上のシニアサッカーの全国大会で、広島チームが初優勝しました。

スピードあるドリブルに華麗な足さばき、そして、強烈なシュート。日本一を勝ち取った古希を超える選手たちの「広島県シニア70合同チーム」です。

「てっぺん、日本一、晴らしいね、涙が出た」

この日は、優勝後、初めての練習です。

先週末静岡県で開催された70歳以上のサッカー大会。全国の地区予選を突破した12チームが、日本一をかけて戦いました。トレーナー2人が帯同した広島チームは、3日間で5試合というハードスケジュールを戦い抜きました。

キャプテン 横山隆志さん(75歳)
「やっぱり疲れが残っている。キャプテンとしてみんなの力をどうやって引き出すかっていうだけで、わがままでもいいからやれと、それだけ心掛けましたね」

チームは県内各地から集まった精鋭25人、最年長は77歳です。

ひときわ大きな声を出すのは、ゲームメーカーの楚輪司さん。県立工業高校時代にインターハイ2位になった実績があります。

ゲームメーカー FW楚輪司選手(70)
「勝った理由は、12時から3時まで毎週やってるんです、炎天下でも。練習量違います。技術で負けてもやる気と体力では勝てる」

大会ではアクシデントもー。正ゴールキーパーが退場で出場できなくなったため、急きょキーパーを任されたのは、広島サッッカー界のレジェンド。

急きょキーパーに挑戦 DF古田篤良さん(72)
「やっぱりキーパーって精神的に壊れますね.点入れられたらどうしようばっかり思ってたんです。でも、楽しかったです」

選手時代は当時、最年少の18歳で日本代表に選ばれ、去年まで広島県のサッカー協会会長をつとめました。70歳を超えてもサッカーを続ける原動力は…。

レジェンド DF古田篤良さん(72)
「魅力ですか?同じ世代のやつに負けたくないなっていうのが一つですね。それしかないですね。いつまでできるんかなと思いながら、自分でトレーニングしたりねジムに行ったりしてるので、それが唯一の楽しみですよ」

チームは試合の最後まで走り抜く体力作りを重視してきました。そんな強者達を率いる利重監督はまだ56歳。

利重忍監督(56)
「こうやって一緒に目標を持って戦う仲間がいるっていうのがですね、70歳過ぎても。そういう居場所があるっていうことは、皆さんとっての何よりの財産だと思いますし、そこに僕も加わらせてもらってるってのはすごい嬉しいなと思ってます」

次の目標に向けて、チーム内でも戦いが始っています。

ゲームメーカー 楚輪司さん(70)
「(次の目標は?)そりゃ連覇ですよ、今日がスタートです」

レジェンド DF古田篤良さん(72)
「来年はまた若い子が入ってくるから、今年以上に強いかもわからんです。(若いコと言っても70ですよね)そりゃ違いますよ。一歳違ったら全然違います」

キャプテン DF横山隆志さん(75)
「僕も今年76になるんで、年寄り扱いするかもしんないけど、若いやつには負けねぞって気持ちでやりますけど」

(スタジオ)
チームのゲームメーカー楚輪さんは、「自分たちが頑張ることで下の世代もがんばろう、もう1回サッカーをやろうという人が増えることに期待している」と話されていました。