今年の台風の見通しは?台風1号が発生しない2025年の気象状況を解説
例年なら5月までに台風が発生していてもおかしくない時期ですが、今年2025年は5月30日時点で、まだ台風が1つも発生していません。このような状況の原因と今年の台風の見通しについて、MBCの亀田晃一気象予報士に聞きました。
例年と大きく異なる今年の台風発生状況 理由は
「年間に大体25個ぐらい台風が発生します」と亀田気象予報士は説明します。平年であれば5月末までに2.5個程度の台風が発生していてもおかしくない時期ですが、今年はまだ1つも発生していない状況です。

この異例の状況には明確な理由があります。亀田気象予報士によれば、「台風は時期によってできる場所が違う」のが特徴で、春は主に日付変更線付近で発生するとのこと。しかし、「今年の4月、5月はここの海水温が低かった」という状況がありました。

台風が発生しなかった2つの理由
亀田予報士は台風が発生しない理由を大きく2つ挙げています。
「台風はご存知の通り、海水温が高いエリアで発生しますので、海水温が低いとなると発生が抑えられる」というのが1つ目の理由です。
さらに「4月5月に台風が発生するエリアに高気圧があって、これが頑張っていた」と2つ目の理由を説明します。
気流が反時計回りに回転して「台風の卵」である熱帯低気圧ができるのですが、「高気圧が抑えつけていたために台風が発生しにくかった」のです。
台風発生の見通しは? 数が増える心配
では今後はどうなるのでしょうか。亀田気象予報士によれば、台風の発生場所は季節によって変化します。「春は日付変更線付近で発生するんですけども、夏、秋になりますと、今度はフィリピン東の海上に発生する場所がシフトする」と説明します。
注目すべきは海水温の状況です。「春に台風が発生するエリアは平年に比べて1度から2度低かった」一方で、「夏秋に台風が発生するフィリピンの東の海上は、平年よりも高い」状況です。このため亀田予報士は「発生するエリアがこちらに移ると、台風の発生がこれから増えてくる可能性がある」と予測しています。