福島県会津若松市出身の薄さんは、高校時代からカフェに入り浸るほどの大のコーヒー好きでした。

いつか自分の店を開きたいという夢を持ちながら、大学卒業後は会社員として働きました。
それでもコーヒーへの情熱は冷めることなく、仕事の傍ら勉強を続け全日本コーヒー商工組合連合会が認定するコーヒーインストラクター検定で1級の資格を取得しました。

そして2024年、子どもの自立と退職をきっかけに、長年暮らしてきた岩手町で自分の店をオープン。
およそ40年越しの夢を実現させました。
開店から5か月、薄さんの深い知識と確かな味に、固定客も増えています。

(週3、4回来店するリピーターの男性は)
「(ブラジルの)フルッタメルカドンという嫌気性発酵の豆なんですけど、使っているお店ってあまりないですよ。県内には。県北でこの店はかなり貴重な店であることは確かです」

豆選びに始まって、焙煎の度合い、そして抽出の方法と1つ1つの作業に愛情を注ぎながら、薄さんは目標とする1杯を追い求めています。

(薄正仁さん)
「コーヒー豆が持っているそれぞれの独特な味わいがあるので、それをきちんと引き出せるコーヒーということと、(浅煎りでも深煎りでも)みずみずしいコーヒーを出したい」

長年の夢をかなえたマスターが入れるこだわりの一杯を、味わってみてはいかがでしょうか。