昨年と比べ2倍の価格高騰「政府が価格介入することは正当化される」

藤森祥平キャスター:
5月30日から受付が再開される備蓄米は4年前(2021年産)の「古古古米」です。
【古古古米の申し込み要件】
中小スーパーなど:年間取扱1000~1万トン未満
コメ店:最低引き渡し量10トン
しかし、このような申し込みの要件があり、中小のスーパーの中には、こういった取り扱い実績に届かない店舗や、10トンも引き受けられないコメ店があります。

伊沢拓司さん:
この線引きについては、専門家が見積もりを出したものなので、私がどうこう言えるものではありません。
線引きをすること自体は、緊急性の高い施策なので、小ロットのところに出していると、流通のコストや袋詰めのコストなど、ある程度時間がかかり、スピードが落ちてしまうという懸念があることを考えると、一定理解はできるのではないかなと思います。
小川彩佳キャスター:
中長期的にどうするかという議論も同時進行で必要になりますが、備蓄米を放出した後、どう価格を安定させるか、どう対応していくのか。
中室さんは国の規制改革推進会議で委員を務めていますが、どのように見ていますか。

教育経済学者 中室牧子さん
すごく難しいです。従来の政策は、市場における需給調整をきちんとするということになっていました。
しかし、2024年5月と2025年度の5月を比較して、どれぐらい価格が上がっているかを見る「小売物価統計調査」(総務省)のグラフを見ると、ほかの生鮮食品に比べると、コメの価格の上がり方が、2倍ぐらいになっている。
ここまで価格が上がると、政府が介入することはある程度、正当化されると思います。
けれど、問題は「政府による強力な価格介入をいつやめるのか」ということだと思います。これが長く続きすぎると、生産者に打撃を与えるということにもなりかねません。

私は今後に関しては2つ、重要なことがあると思っています。
農業生産法人 金井農園の金井代表も話していた「大規模化」をきちんと進めていくということ。もう1つは、「生産量の把握」をきちんとやることが大事だと思います。
最近、海外だと衛星データを活用して耕作地の写真を撮影し、そこから生産量の予測をするということもしています。そういうデータを活用した政策も必要かなと思います。
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<プロフィール>
伊沢拓司さん
株式会社QuizKnock CEO
クイズプレーヤーとして活躍中
中室牧子さん
教育経済学者
教育をデータで分析
国の規制改革推進会議の有識者委員














