練習は週1回!?社会人と日本代表、二刀流に挑む日々

男子とも互角以上に渡り合える強さはまさに世界レベル。
仕上がりは順調に見えますが、吉武選手はいま「あるジレンマ」を抱えています。

吉武まひろ選手:
「(練習は)平均で言うと週2来れればいいぐらいですかね。基本週1とかですね。U20で優勝したときは、やっぱり大学で毎日のようにやってて、だからそういうとこでは不安もある」

世界選手権に向けた不安要素ーそれは練習の量です。
社会人になってからの練習時間は仕事終わりのわずか2時間、競技環境は学生時代から一変しました。

吉武まひろ選手:
「学生のときの後半から、全日本選手権だったり、ずっとというか学生選手権も勝ったり、なんか結構勝てる状況が続いてたんですけど、去年1年間うまく成績が一番になるっていうのがあんまりなくて」

思うような結果を残せず、社会人と選手を両立する厳しさに直面する日々。それは練習だけでなく、減量にも及びます。それでも、支えてくれる人たちの存在がいまの吉武選手の原動力になっています。

吉武まひろ選手:
「トップレベルを目指すなかでは(練習に専念できる)環境に身を置いた方が良いとは思っているんですけど、正直。長崎に帰ってきて少しでも恩返しがしたいっていう気持ちの方がそれよりも上。勝ってて。いろんな人が応援してくれているので、絶対に優勝して、もう一度世界に挑戦したいなと」

東京の大学から地元に戻ったことで、家族のサポートもこれまで以上に感じるようになりました。

父・直樹さん:
「ケガがやっぱり心配。日の丸をつけて戦うってことはですね相当なプレッシャーなのかなと」

母・敦子さん:
「日々の生活が見られるっていうのはやっぱりすごく嬉しいですよね、ホッとしてっていうか」

家族との食卓は競技を離れ娘に戻れる大切なひとときです。

吉武選手:
「レスリングのことは、もう、はい。置いてきて、うん。レスリングはレスリングのときだけ」
父・直樹さん:
「よく言われる。家でもね、努力とか何とかされてるんでしょうって。答えようがなくて」
吉武選手:
「カットカット(笑)」

「恩返しがしたい」伝えたい挑戦する心

長崎のレスリング界を盛り上げたい。長崎にパワーを返したい。
社会人という新たなステージで世界に挑む吉武選手。

吉武まひろ選手:
「U23でも世界選手権で金メダルをとることがもう今一番の目標です。誰かの何かに挑戦するきっかけだったり、その第一歩のきっかけになれたらいいなっていうふうに思います」

地元の応援を力に変える吉武まひろ選手。日本代表としてどんな戦いをみせるか注目です。