長崎から世界へ挑む、女子レスリング日本代表、長崎県立島原高校出身の吉武まひろ選手。去年東京の大学を卒業後、社会人として地元に戻りました。10月の世界選手権出場を前に、レスリングにかけるいまの思いを取材しました。

「先生でレスラー」吉武まひろ選手の素顔

男子選手顔負けの力強さと、相手のスキを突く巧みなテクニックが持ち味。長崎県雲仙市在住、吉武まひろ選手、23歳です。

Q、レスリングのどんなところが楽しいですか?
吉武まひろ選手「勝つときですかね。気持ちいいのは逆転勝ち。もう本当あと何秒かとかで逆転勝ちとかしたときは、最高ですね」

小学2年生からレスリングを始めた吉武選手。メキメキと頭角をあらわし、県内トップレベルにのぼりつめました。

その強さはレスリングに留まらず、なんと相撲でも日本一に!

その後もインターハイやU20の世界選手権など数々の大会で優勝。そして先月、日本代表の選考を兼ねた「ジュニアクイーンズカップ」U23の部・72キロ級を制し、10月に開かれる世界選手権への出場を決めました。

そんな彼女のもうひとつの顔が…島原特別支援学校の講師です。

生徒「吉武先生はとってもみんなと仲良くなれて」
吉武選手「いいぞ、いいぞ」
生徒「とっても活発!」

現在2年目で、保健体育を専門に教えています。

吉武まひろ選手:
「長崎県の方に今まで育ててきてもらったので、次の世代の育成だったり、そういうのを通して長崎県に貢献できればと」

小川光洋教諭:
「彼女の頑張りがやっぱり子どもたちにも、いいお手本じゃないですけど、子どもたちに何か刺激になってくれるといいなと思います」

勝負を分ける「タックル」!男子にも当たり負けしない強さの秘密

仕事を終えて向かったのは、母校・島原高校のレスリング部。
県内でレスリングができる場所が少ないなか、ここでは高校生と社会人がともに練習に励んでいます。

島原高校レスリング部顧問・伊藤優教諭:
「力強いレスリングをするので、男子選手でも当たり負けしないというか、そういう力強さは彼女の特徴かなと」

世界選手権に向けて、いまは「タックル」の強化に力を入れています。
ここでの攻防が勝敗を分けるカギ、勢いだけでなく冷静な判断力が求められます。

吉田奨健さん:
「相手のこと全部見てるんで、その相手がどっち動くとか、把握がすごいです」