間もなく収穫期を迎える小麦に発生する病害の一つ「コムギ赤かび病」が、今後多発するおそれがあるとして、県が注意を呼びかけています。
コムギ赤かび病は、高温多湿を好むカビが原因で、穂が褐色になったり小麦粒が桃色や橙色になったりするもので、多発すると品質が大きく低下します。

県によりますと、千曲市、上田市、松本市、伊那市に設置された、ピンポイントで気温や湿度、降水量、葉の濡れ時間、土壌水分、日照時間などを観測することができるクロップナビと呼ばれる装置を使った感染予測システムによって、5月22日にコムギ赤かび病菌が小麦に感染しやすい条件が揃ったことが確認されたほか、28日には北信地方の一部で、初期の症状を示す小麦が見つかったということです。
さらにこの先の気温が平年並みまたは高めに推移し、降水量も平年並みまたは多めになる見込みで、コムギ赤かび病の感染に適した気象条件が続くことが予想されることから、多発するおそれがあるとしています。
このため県は29日に病害虫発生予察注意報を出して、開花から2週間程度が感染しやすいため、これまで防除を行っていない場合は直ちに防除を行うことや、開花期に行った場合でも、その後、雨が続く場合は、追加で防除を行うことを呼びかけています。
あわせて、適期の収穫や、収穫後はできるだけ速やかに乾燥させるなどして品質の確保に努めてほしいとしています。