2021年、アマチュア最高峰のリーグJFLで優勝し、今年からJリーグに昇格したいわきFC。本格始動からわずか6年でJリーグにまで駆け上がったクラブの真髄とは?
ドーム・安田社長(2016年当時)「スポーツを通じて日本全体を元気にする、過激な言い方をすると改革をするんだというくらいの意気込みでやっております」

いわきスポーツクラブ・大倉代表「結果的にJ1とか結果論であっていわき市をスポーツを通じてサッカーというツールを通じて元気にしていくということがまず第一になります」

2016年に本格始動したいわきFC。
大手スポーツブランド「アンダーアーマー」の生産・販売を手がける会社「ドーム」の安田秀一社長と、当時J2の湘南ベルマーレで社長を務めていた大倉智さんがタッグを組み動き出しました。
「スポーツを通じて社会価値を創造する」
大倉代表は、いわきFCの事業構想発表会の壇上で、力強くこうスピーチしました。
大倉代表「日本のサッカー界は、チームが勝利することを第一に置き、目先の勝利が全てとなっています。点を取られたくないからゴール前を固めてボールを奪いに行かないんです。そのようなサッカーで感動する姿が生まれると思いますでしょうか?若い選手がピッチでガンガンと走り躍動する、勝ち負けだけではなくてお客様に感動・勇気・希望といった無形のサービスを提供することがサッカーの本質ではないかと思います」

”勝敗だけに捉われず、90分間、止まらない・倒れない魂の息吹くフットボールで見ている人に感動・勇気・希望を届ける”
いわきFCの誕生は、地元のサッカー選手にとっても希望の存在となっています。
チームで唯一、2016年から所属している地元・いわき市出身の吉田知樹選手。

6年前、当時まだ18歳だった吉田選手は開幕戦後のインタビューでこう話していました。
吉田選手「自分、地元出身なので、まだ復興が完全にしたわけではないので、サッカーを通していわきを活性化していけたらいいなと思います」

それから6年が経った今年1月。
吉田選手「僕が子どものころは地元いわきにJリーグのクラブができると思っていなかったので、子どもたちに希望を与えていけるようなと全国にいわきを広めるチャンスだと思うのでしっかり結果を出していわきを全国に広めていきたいと思います」
そして、去年からサポーターがチームに向けてホームタウン9市町村の地名とともにある横断幕を掲げました。
「浜を照らす光であれ」。

大倉代表「光っていう言葉がすごく抽象的であり、非常に刺さる言葉だなと思っていて。だけど、僕らの社会価値を創造するという活動のなかで、何かそういう存在として僕らを見てくれる、それによってなにか希望が湧いてくる、そんな光になれたらいいでしょうね」
”スポーツの力で地域の希望の光となる存在に”
その思いは、6年経った今も揺るぎない信念として変わっていません。