林官房長官は、中国の海洋調査船が26日、日本の最南端・沖ノ鳥島周辺のEEZ=排他的経済水域でワイヤーのようなものを海中に延ばしている様子を確認したとして、海上保安庁が中止を要求し、外交ルートで抗議したことを明らかにしました。

林官房長官は会見で、5月26日、中国の海洋調査船「嘉庚」が沖ノ鳥島の東方、およそ270キロのEEZ内で海中にワイヤーのようなものを延ばしている様子を海上保安庁が発見し、中止するよう要求したと述べました。

林 官房長官
「中国側に対し、我が国の同意を得ない海洋の科学的調査は認められず、即時に中止すべき旨の抗議を行ったところでございます」

調査船は26日の午後10時45分ごろにEEZから出たということで、林長官は外交ルートで抗議したと明らかにしました。

中国外務省 毛寧 報道官
「日本が沖の鳥礁でEEZを主張することは国際法に違反しています」

中国外務省の毛寧報道官は27日の記者会見で、「国連海洋法条約によると、『沖の鳥』は島でなく、岩であり、EEZや大陸棚は存在しない」と反論。その海域で中国の科学調査船が活動したことは、「公海の自由の行使であり、日本側が干渉する権利はない」と主張しました。