「随意契約」の条件「年間1万トンの取り扱い」ができるスーパーの規模は?

井上キャスター:
政府が価格設定するので実現できると思われますが、その後の懸念なども見ていきます。

今回、備蓄米を計30万トン放出します。過去3回で合わせて約30万トンほどの備蓄米を放出していますので、今回は1回で結構な量を放出することが分かります。

小泉進次郎大臣は、需要があれば、無制限放出の可能性も示唆しました。また、▼買い戻し条件の撤廃、▼売り渡し方法を競争入札から随意契約へ変更し、26日からメールでの受付を開始するということです(先着順)。

これまでの流通ルートは競争入札でした。備蓄米がJAなどの集荷業者に渡り、卸売業者に渡って小売店で販売されて、消費者が手にします。

小泉大臣は「これまでと同じやり方をしていては、国民の期待に応えられない」として、随意契約に変更しました。

随意契約に変えると、備蓄米は直接、小売店に売り渡されます。しかも、輸送料は基本的に国が負担するということが表明されています。

JAなどの集荷業者、卸売業者などの中間マージンのコストカットが可能で、より安い価格で、スピードアップして販売ができるということです。

しかし、随意契約における備蓄米の取引業者には、「年間1万トンの取り扱いがある大手スーパーなど」という条件があります。

スーパーアキダイの秋葉社長によると、「スーパーアキダイでの年間の取り扱いは10トンほどなので、今回の随意契約は対象外」だということです。

スーパーアキダイも対象外ということで、「年間1万トンの取り扱い」が、いかに大規模のスーパーに限られるかが分かるのではないでしょうか。

2000円の備蓄米の取り扱いは大手スーパーなどに限定され、都市部に備蓄米の販売が集中するおそれがあります。

「地方との格差があるのでは」という懸念もありますが、政府としては、まずは大手スーパーに集中して、そこから条件を緩和していく、まずはスピードだということですが、今後は公平性が問われそうですね。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
今まで値段を統制したり、放出量を統制するという「調整の経済」をやってきました。今になり、市場経済に委ねるようなことで、このあたりでチグハグが起きています。

今の段階で私が思うのは、都道府県の人口に応じて分配していくなどをしないと、大手が買い占めることができるので、小さな店舗は買い負けしてしまうが起きることも十分に想定できます。

都道府県あるいは市町村などに比例して、配布していくようなことはできないのだろうかと思ってしまいます。

出水麻衣キャスター:
最近はスーパーでデータを取っているので、年間のコメ販売量の何割かは必ず買えるような仕組みにするなど、公平に、様々なところに行き渡るような形にして欲しいです。