■北海道に移住し「竪穴式住居」で自給自足、20年間創作。体得したものとは?

武蔵野美術大学を卒業後、縄文土器と出会い、その美しさに魅了されたという猪風来さんは、造形美の源泉となる縄文人の精神性を理解しようと、家族で北海道石狩市に移住し自給自足の生活を始めました。


(縄文造形家 猪風来さん)
「暮らしの中からこれを生み出しているんだから、同じ暮らしをしてみれば、きっと何かわかる」


人が抗うことのできない過酷な自然の中で竪穴式住居をつくり、およそ20年間創作に明け暮れました。そして、ついに「縄文の心を体得した」のだといいます。

■「大自然のリズムに従え、それが縄文人の心」

(縄文造形家 猪風来さん)
「縄文は自然に対する畏敬の念を持っています。自然が我々を生み出してくれた、大自然のリズムに従って生きてきたんです」

「自然のリズム、それに従うことによって、私たちは幸せを感じることができる、そういうことが分かりました。縄文人の心はまさにそれだったと」


これは、猪風来さんが国宝の火焔形土器を模して作ったものです。複雑な文様には、縄文人の世界観が込められています。


(縄文造形家 猪風来さん)
「魂をもう一度大地にお返ししますから、もう一度再生してもらいたい。そのような願いを込めて作られていると思います」