コメの価格が高騰する一方で、野菜が安くなっています。中でも葉物野菜はこれまでと比べて驚きの価格となっています。一方で、暴落を防ぐため廃棄せざるを得ないなど生産者の思いは複雑です。葉物野菜をめぐる現状を取材しました。


長野市の青果店「ファーム大澤屋」。
ブロッコリーは107円。キャベツは140円。
ミニトマトは普段の2倍の量、400グラムで161円。

いろいろな野菜が安くなっています。中でもー。

山崎キャスターリポート:「旬を迎えているレタス。こちらのスーパーでは、なんと1玉86円で販売されています!」


買い物客:「安いですね、久しぶりに見ました100円切っているのを。なかなかサラダを食べられなかったからうれしいです。やっと子どもたちにもいろんな野菜を食べさせられる」

買い物客:「安い安い。ようやく来たなという感じ。また高くなっちゃうのかなと思って心配はありますけど、安い時にたくさん食べようと思います」

この店のレタスの価格は今年2月の時点で1玉400円。なぜここまで下がったのでしょうか。

ファーム大澤屋 坂口大専務:「陽気が暖かいことによって前倒しで出荷されている分、市場には飽和状態となっています」


例年は産地ごとにずれるはずの出荷のピークが重なったことが大きな要因。天候に恵まれたことで、サイズも大きいといいます。

ファーム大澤屋 坂口大専務:「玉が大きくなって値段が下がるので、お客様にとって最高なパターンとなっています。これで値段がぐっと下がってきているので、今まで我慢していた分たっぷり食べていただきたい」

消費者としてはうれしい状況ですが、産地では悩みもあるようです。


家族3人、およそ30アールでレタスを作る小諸市の佐藤英二さんの畑では、今月上旬から出荷が始まりました。

温暖化の影響で少しずつ収穫時期が早まっているといいます。

レタス農家 佐藤英二さん:「30度超えの日がありましたよね。それが影響していると思うがみんな大きく育ちまして、いい品物ができていますね」

例年はLサイズが中心ですが、今年は先月以降の暑さの影響かほとんどが2Lサイズで出荷量も増えています。

レタス農家 佐藤英二さん:「量がいっぱい出ているもので、かなり安く消費者には届けているが、生産者としては安すぎてあんまり儲けがない」


例年1箱1500円程度を目指して出荷していますが、今年は1000円前後に。肥料などの高騰も続く中で、価格が暴落しないよう生産量を調整せざるを得ないといいます。


レタス農家 佐藤英二さん:「これ廃棄、廃棄しちゃったやつ。捨てるために切って捨てるために積んでもう嫌な仕事ですよね」

廃棄するレタスは1割にのぼるといいます。

廃棄されたレタス


レタス農家 佐藤英二さん:「農家は対策よりは良い品物を消費者に届けるのが仕事であって価格の方は市場任せ。長野県のレタスおいしいですから、ぜひ今安いからいっぱい食べてもらって、この先少しでも価格が回復してくれれば」