2021年、青森県十和田市の高校で行われていた実習中に男子生徒の頭に鉄製の農具がぶつかり、その後、亡くなる事故がありました。この事故で、遺族が県と当時の実習助手を相手取り、損害賠償を求める訴えを起こすことが分かりました。
2021年12月、当時の三本木農業高校の牛舎で、暴れそうになった牛を追い払うために実習助手の男性が鉄製の農具を振り上げたさい、近くにいた当時2年生の男子生徒の頭に接触しました。
男子生徒は大けがをして昏睡状態に陥り、その後、意識を取り戻すことなく、2024年3月に亡くなりました。
この事故で、青森地検は実習助手について「過失があると認定することは困難と判断した」として、不起訴処分としています。
遺族の代理人弁護士によりますと、男子生徒の両親は6月に県と実習助手を相手取り、損害賠償を求める訴えを起こすことを明らかにしました。
この事故を調べた調査委員会は、実習助手が近くに生徒がいたにも関わらず、牛を追い払うために農具を振り回したことは不適切だったとして、学校の危機管理体制に問題があったとする最終報告書を2023年に県教育委員会に提出しています。
県の担当者は「訴状が届いたら内容を確認して、真摯に対応していきたい」としています。