岩手県大船渡市が徴収する下水道使用料について、過去11年間に合わせて約1000万円の徴収漏れが起きていたことが分かりました。市はすでに時効を迎えた分を除く約418万円について、さかのぼって納付するよう下水道使用者に請求することにしています。
大船渡市によりますと、徴収漏れは2010年4月から2021年3月までの11年間で、法人を含む104の使用者の計988万9547円に上ります。2021年12月に市内の集合住宅の水道メーターを交換する作業の過程で、下水道使用料が請求されている部屋とされていない部屋のあることが分かり、市の調査で徴収漏れが発覚しました。
さらに同様の事例がないか市内で公共下水道を使用している約5700件を調べた結果、約1000万円の徴収漏れが判明したということです。
原因として、下水道の開始届けを受け付ける市の下水道課と使用料を徴収する水道課の情報共有が不十分で、システムの入力漏れがあったことなどが挙げられています。
市は対象者へ個別に説明を行い、さかのぼって請求が可能な時効を迎えていない最長で5年分に該当する45の使用者の計417万8988円を分割等で納付してもらうよう請求する方針です。
渕上清市長は「このような事態を招いたことを重く受け止め、原因をしっかり究明し、再発防止策に加え、組織のガバナンス強化を図りながら信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。
今後下水道使用料の徴収については新たな事務手順を確立すること、事務やシステム入力の手順書を作成することなどで再発防止に努めるということです。
同じ集合住宅で請求されている部屋とされていない部屋が・・・ 調査すると10年間で下水道使用料約1000万円の徴収漏れ 対象は104者 公訴時効除く約400万円の納付求める 岩手・大船渡市
