ガソリンを事実上「値下げ」する政府の新たな制度が始まりました。その効果について、熊本県民の反応を探りました。

経済産業省によりますと、県内のレギュラーガソリンの小売価格は、5月19日時点で1リットルあたり181.6円で、半年前と比べて5円ほど高くなりました。政府はこれまで、レギュラーガソリンの全国平均小売価格が1リットルあたり185円前後になるように補助金を調整していました。

しかし、物価全体の高騰で22日から1リットルあたり最大10円が定額で補助されます。こちらのガソリンスタンドでは買い控えなどを避けるため、10日ほど前から5円値引きしています。利用客は…
乗用車へ給油「制度が始まったので給油に来た。米も含めて何でも高くなっているので」
――安いという実感はありますか?
原付バイクへ給油「だいぶ違う。満タンで500円台とかなかったので」
乗用車へ給油「もっと安くなれば車のクーラーもバンバン使えるのに」
新制度で価格は安定するのでしょうか
肥後石油島崎給油所 山崎智久所長「原油価格次第。今までは10円以上の助成金が出ていたが、それが一律10円になる。原油価格次第で市場価格が決まっていく」

一方、こちらの銭湯。燃料となる廃油の取引価格は数年前と比べて5倍に高騰しています。廃油は新制度の対象外ですが、ガソリン代や重油代が下がることで波及効果を期待します。

大福湯 野村雄亮代表「銭湯にとっては燃料は昔から命と言われている。価格が下がることで経営的な厳しさが緩和していく」
銭湯の入浴料金は知事が指定するため、燃料代が上がっても簡単に値上げできないこともあり、以前は熊本市内に250軒ほどあった銭湯は、現在は8軒に減りました。サウナ代を別料金にするなど知恵を絞りながらギリギリの対応が続きます。
大福湯 野村雄亮代表「生活困窮者や年金暮らしのお年寄りに安価でお湯を提供するのも銭湯の役割。原油価格が下がっていかないと銭湯はやっていけない」