幼い子供が送迎バスに取り残される事件が相次ぎ、国は安全装置の義務化など緊急対策を進める方針です。一方で、事件の背景には慢性的な人手不足などの保育の現場が長年抱える別の課題もあり、国のハード重視の対策に“違和感”を覚える人もいます。根本的な改善を求める声があがっています。
◆バスに安全装置「義務化」

福岡県川崎町にあるすみれ保育園の保育士・居石栄さんは、送迎バスの補助係を務めています。乗るのを嫌がる園児をなだめるのに一苦労です。園に到着して車から降ろし、車内を確認し終わると、子供たちを連れて屋内へ。その間、一瞬も気が抜けません。
居石さん「人数確認と子供たちの体調を最優先で考えてます。置き去りの事故があるんだと身にしみて、もっと気をつけなければと感じました」

送迎バスをめぐっては去年7月、福岡県中間市の保育園で、車内に置き去りにされた5歳の男の子が熱中症で死亡。今年9月にも、静岡県牧之原市で、認定こども園に通う3歳の女の子が、バスに取り残されて亡くなっています。政府は、再発防止の緊急対策をまとめました。

来年4月から、全国の保育所や幼稚園などに、バス車内の置き去りを防ぐ安全装置の設置を義務付けることなどを盛り込み、統一された安全管理マニュアルも配布します。
小倉将信こども政策担当大臣「対策をしっかり講じ二度と同種の事故が起きない体制ができると思っております」
◆保育士の数に“ひずみ”
国が財政措置を講じて対策に乗り出す一方で、保育の専門家は、長年指摘されている別の課題の解決も必要だと話します。














