豊岡短期大学通信教育学部・田中敏明教授「人手不足で保育者が確保できない状況を全体として見直していくべきです」


厚生労働省によると、保育業界が新規採用のピークを迎えた今年1月、保育士の有効求人倍率は全国平均で2.92倍でした。これはすべての職種を平均した1.14倍と比べて、倍以上の高さです。田中教授は、保育士1人あたりが面倒を見る子供の数を定めた国の「配置基準」が、保育士に過酷な労働を強いている結果、続かなかったり、なり手がいなかったりして、人手不足を招いていると指摘します。2019年10月から2020年9月末までの1年間で、全国で勤務する32万6000人のうち、1割弱にあたる2万7000人が何らかの理由で退職しました。

田中教授「事故は1クラスあたりの保育者の数など歪みがあるひとつの象徴として現れます」


居石さんが担任を務める0歳児のクラスで普段の様子を見せてもらいました。午前中は、みんな行儀良く過ごしていましたが、昼ごはんになると一変。泣き叫ぶ子や、ごはんを床にこぼしたり、顔や髪に付けたりする子もいます。

新型コロナ対策で手の消毒が必要だったり、座席の間隔をあけていたりするため、一度に複数の子供を世話できず負担も増えています。