大井満さん:「相手を恨んで恨み切れないし、向こうにも反省の色を少しでも持ってもらいたいし、とにかく憎いですよ一番は…」

高齢ドライバーのアクセルとブレーキの踏み間違いが招いたとされる今回の事故。
踏み間違いによる県内での死亡事故は、過去10年間で13件発生していますが、運転手はいずれも高齢者でした。
県警交通安全対策室 渡澤竜一室長:「人口10万人当たり、4倍多くなっている」

特に判断能力や身体能力が低下するとされる70歳以上は注意が必要です。
県警交通安全対策室 渡澤竜一室長:「70歳以上の方からアクセルとブレーキの踏み間違い事故はかなり多くなる。身体機能の低下が始まっているのが、数字の上では読み解くことができる」
県内で過去5年間に発生した踏み間違い事故、302件を年齢別に見てみます。70歳を過ぎると、急激に増加しています。

事故を起こす前にできることはー。選択肢のひとつが運転免許証の自主返納です。
高齢ドライバーが免許証を更新する際には、「高齢者講習」の受講が義務づけられてます。
県警東北信運転免許課 今溝隆次長:「座学による講義、適性検査、それから実車を用いての講習となります」

講習は教習所や運転免許センターで行われ、座学や視力検査、実技などがおよそ2時間行われます。
さらに75歳を過ぎると「認知機能検査」と、特定の違反者に対しては、合否判定の出る「運転技能検査」も実施されます。
県警東北信運転免許課 今溝隆次長:「合否が出ますので、自分の運転の技術を再確認してもらいたい。点数の結果が悪い時も自主返納のタイミングかと思う」
しかし、講習や検査で免許の返納を強制されることはありません。
受講者(78):「ダメかなと思うときもあれば、いいなと思うときも。きょう先生から色々教わって(返納も)考えてみます」
受講者(75)「(講習では)自分の思った通りには中々いかない。運転にしてもブレーキにしてもちょっと遅れてしまう。あと10年は持っていたい。仕事するには必要です」
県内で去年1年間に免許を自主返納した人は6965人で、返納の理由は「身体能力の低下を自覚した」ことが、半数以上を占めました。

ただ、問題となるのが、免許返納後の生活です。車がないと生活できないことなどを理由に返納する人が少ないのが現状です。県内での免許の返納率は1.5パーセントと、全国平均の2パーセントを下回っています。
警察では安全運転相談ダイヤル#8080を設置していて、運転に不安を感じたら、まずは相談してほしいと呼びかけています。
御代田町で起きた暴走事故で妻を亡くした満さんが、ドライバーに伝えたい思いがあります。

大井満さん:「徐行、一旦停止は、一旦停止だけは守ってほしい。ある程度スピードを落として高齢者は特にそうしてもらいたい。自分の家のこの悲しみ。また他人様に与えてはいけないというその気持ちがある」