今月2日、長野県御代田町のスーパーの駐車場で発生した死亡事故。76歳の女性が運転する乗用車が暴走し、買い物にきていた73歳の女性がはねられ死亡しました。事故から2週間、最愛の妻を失った男性が、苦しい胸中を語りました。

大井満さん:「10時ごろ、ちょっと買い物に行ってくるよと出たっきりですからね」


御代田町の大井満さん(78)。暴走事故で、最愛の妻・佐枝子さん(73)を亡くしました。

大井満さん:「ちょっとした接触で骨折かその程度かなと思っていたら、そしたら何のことじゃない。切ないけどあんな姿見たくない」

今月2日、御代田町のスーパーの駐車場で1台の乗用車が暴走しました。乗用車は道路を渡っていた佐枝子さんをはねたあと、外灯や車にも衝突。植え込みに乗り上げて、ようやく停まりました。


病院に救急搬送された佐枝子さん。出血がひどく、手の施しようがない状態だったといいます。

大井満さん:「おい、目を開けてくれってどのくらい言ったかね…。目を開けないから、もし声が届いたら手を握っていたから、握り返してくれないかとか。だけど全然…」


事故のおよそ7時間半後、佐枝子さんは亡くなりました。

乗用車を運転していたのは軽井沢町の76歳の女性。過失運転致死の疑いで送検され現在も任意で捜査が続けられています。

捜査関係者によりますと、女性は調べに対しー。

「止まろうとしてペダルを踏んだらスピードが出てしまった」と供述。

警察はアクセルとブレーキを踏み間違えたとみて、調べています。

同居する2人の孫の成長を楽しみにしていたという佐枝子さん。満さんとの野菜作りが日課でした。

大井満さん:「うちは野菜も出荷している。ハウスで種まいている。一緒だったら2人でできたのになあと…。朝起きても、あれ、お母さんハウスの中に様子見に行っているのかなという感じで。ハウスに行くといないじゃないですか。ああ、やっぱりいないか…」

日常は一瞬にして奪われてしまったのです。