波瀾万丈な経験…独房の中で自らの尿を飲んで命を繋ぐ

穏やかな表情が印象的なムヒカ氏ですが、若いころは武闘派の活動家で、波瀾万丈な経験によって、類まれな人格や思想が形成されたといいます。
幼い頃に父を亡くし、貧しい家庭で育ったムヒカ氏。
さらに、20代のころは、ウルグアイで経済不況が深刻化し、貧困や格差の問題に矛盾を感じていました。
同じ時期にキューバ革命を成功させたフィデル・カストロやチェ・ゲバラたちの思想に共鳴し、1960年代に左翼ゲリラ組織を設立します。
「富裕層が持つ金を貧困層に分け与えるため」として銀行も襲撃。当時の軍事独裁政権の打倒を目指して武装闘争を続けますが、その間、6回も銃弾を浴びて、一時はひん死の状態になったこともありました。

また、4回逮捕されて拷問にさらされ、水も与えられない独房の中で自らの尿を飲んで命を繋ぐという過酷な体験もしたということで、後に「獄中で過ごした十数年が、人生観を形成するのに役立った。あれが無かったら浅はかで卑しい人間になっていただろう」と語っています。