「買った量だけ戻さないといけない」…価格下落を阻害する政府の“条件”

コメ卸売会社「食協」では、コメに親しんでもらおうと、毎年⽥植え体験会を開催。

集まった⼈たちからも、今年は価格⾼騰に関する質問が相次ぎます。

参加者
「これ(コメの⾼値)はいつ頃まで続くか、いつになったら元に戻るか」

皆、備蓄⽶の放出で価格が下がると期待していたのです。

武信社長
「(備蓄⽶は)買った量だけを、8⽉9⽉の新⽶で戻さないといけない。これがネックになっているんですね」

「買った量だけを戻す」。いったいどういうことなのでしょうか。

「食協」では、⽉に3000トンのコメを扱っていますが、 JAから買い付けた備蓄⽶は、わずか40トンでした。

武信社長
「私どもも数百トン、千トン単位という買い⽅もできたと思います」

⼤量に買えなかったことには、理由がありました。

実は、政府は備蓄⽶の放出にあたって「買い戻し」という条件を課しています。備蓄⽶を⼊札したJAなどの集荷業者は、1年以内に同じ量の国産⽶を⽤意し、政府に買い戻してもらわなければならないのです。

武信社長
「(JAに)戻すとなると、8⽉9⽉からのコメが買った分だけ減るということになります。(戻すコメを)仕⼊れるのがしんどい、(JAに)戻すのがしんどい。最終的な犠牲は私どもに来る、すべて」