核兵器を保有するインドとパキスタンが係争地のカシミール地方をめぐって対立を深めるなか、インドのシン国防相は「パキスタンの核兵器はIAEA=国際原子力機関が管理すべきだ」と主張しました。パキスタン側は強く反発しています。

インドとパキスタンは、カシミール地方で発生したテロをきっかけに、今月7日から軍事衝突に発展しましたが、10日に停戦で合意しています。

核兵器の保有国の間で対立が深まるなか、15日、インド軍の部隊を視察したシン国防相は「無責任なならず者国家の手にある核兵器は安全なのか」と述べたうえで、「パキスタンの核兵器はIAEAの管理下に置くべきだ」と強調しました。

両国の軍事衝突をめぐっては、パキスタン政府が“核管理を担う最高意思決定機関の「国家司令本部」を招集した”と報じられ、緊張が高まりました。

シン国防相の発言について、パキスタン外務省は声明で「IAEAの任務と責任に対する全くの無知を露呈している」と非難。「IAEAと国際社会は、インドで繰り返されている核物質などの盗難や違法取引の問題について懸念すべきだ」と主張し、強く反発しています。