“第3の賃上げ”とも言われる「福利厚生」の充実。企業の人材確保が厳しさを増す中、現場では、思い切った取り組みが始まっています。
◆出産祝い金を大幅増額
札幌市に本社がある空調設備などを手がけている中小企業です。
社員は全体で164人。平均年齢は34歳で、若い世代が多いことから、去年、福利厚生の「出産祝い金」を大幅に増額しました。
ヤブシタホールディングス 森忠裕社長
「まず1人目で50万、2人目で50万で、3人目で200万という設定をしております」
第2子まで、それぞれ50万円。
そして第3子が生まれたら、200万円を社員に支給します。
ヤブシタホールディングス 森忠裕社長
「中小企業はなかなか厳しい金額ですが、まぁ、いいじゃないですか。みんなで頑張って利益を上げて、その利益の一部を社員に還元する、いたって普通です」

この祝い金制度に社員は…
ヤブシタホールディングス 今年、第1子が誕生 古堂博之さん
「そんなのあるのというのが第一声で…。特に物価高とか言われてるので、(使い道は)まだ本当に明確に予想はできてないけど、本当にあるに越したことはないかなという気持ちが強いです。」
社員の三原結花さんは、7月に3人目の子どもを出産予定で、この200万円が支給される第1号となります。
ヤブシタホールディングス 7月に第3子を出産予定 三原結花さん
「まだそんな200万円もらえるかが、ちょっと怪しいのがあって。もらってから何に使おうか悩む感じです。子育てするのに、1人目2人目のときに金銭面で不安な点があったので、その分に関しては、やっぱりほっとして何か育児に専念できるかなというのはあります」
子育て中の社員への支援は、これだけではありません。
執務フロアの一角に設けたのは、託児スペース。
すぐそばで子どもを遊ばせて、安心して仕事に取り組める環境を整え、必要に応じて保育士も常駐します。
ヤブシタホールディングス 横山真央さんと有彩橙くん(4)
「保育園に入れなかったとかがなく、すごく楽で、ありがたかった。保育士も「最近これできるようなってますよ」と、目の前でやってくれたりとか、そういうのはすごく成長を近くに感じられたのかなと思っています」
人材確保が厳しさを増すなかでも、こうした福利厚生の充実によって、有能な若い人材を確保していきたいと話しています。
ヤブシタホールディングス 森忠裕社長
「できる限り社員に還元する。社員を大切にする。(会社が)社員が大切だと感じなければ、パフォーマンスなどで返そうとしないでしょう。社員ひとりひとりの力が、そのような会社の業績に直結する。先を先を見据えて、とにかく雇用し続けていく、若い集団であり続けたいというのが私の願いです」

◆第9子まで想定…合計6600万円
堀啓知キャスター)
今はキャリアアップでどんどん転職という時代だけれども「この会社で長く働きたい」と思う一つの理由かもしれませんね。
堀内大輝キャスター)
こちらの会社の出産祝い金ですが、第1子で50万円、第2子も50万円、第3子は200万円ということで合わせて300万円になります。
堀啓知キャスター)
第3子で一気に上がりますね。これはうれしいですね。
岡田圭右さん)
私の子どももまだまだ小さいんで、これから育てていくのにお金がかかるのがわかります。金銭面が素晴らしい。プラス、さっきあった保育士さんがいる制度、これ素晴らしい。特に女性の方にとってはありがたいし、そして最近は大谷翔平選手の父親リストじゃないですけど、子育てに関して皆さん関心持ってて、ちゃんとそっちの方向にいっているのがいいですよね。先ほどの女性が「200万はちょっと怪しいと思う」とか、「怪しい」というワードが出るくらい、この会社はいい会社というのが伝わってくるというか。素晴らしい。
堀内大輝キャスター)
今200万円でも怪しいという声がありましたけれども、さらに第9子まで設定しているそうなんです。社長の計画では、第4子以降も増額していき、第9子は、なんと2000万円、合計すると6600万円になる計算です。
岡田圭右さん)
社長!これは怪しい!でもまあ今少子化ですから、子どもがちゃんと増えてほしいんだという願望が、そういう思いがあるんでしょうね。
堀啓知キャスター)
この会社は子育て世代の人たちが集まりやすい環境ですよね。