若い世代にも3回目のワクチン接種券の送付が進められていますが、今月7日時点の『3回目接種率』を年代別にまとめた長崎県のデータでは、70代以上で8割を超えているものの、20代・30代に関しては3割を切っています。

今月7日時点の『3回目接種率』を年代別にまとめた長崎県のデータ


なぜ若者の間で3回目の接種が進まないのか。専門家に背景を聞きました。

長崎大学 森内 浩幸 教授「接種に対してあんまり積極的になれない人たちの多くの人たちは、ひとつに "副作用・副反応が心配だ" ということがあります」

若者の間で3回目のワクチン接種が進まない背景には、比較的症状の軽いオミクロン株が主流となる中、感染した場合のリスクとワクチン接種の強い副反応によるリスクが釣り合わないとする考え方があると分析します。

長崎大学 森内 浩幸 教授

森内教授「熱であったり、痛みであったり、体のだるさであったり、副反応は高齢者よりも若い人の方が強く出ますので、オミクロンになっても大した事なさそうだけどワクチンは強い症状が出そうということで敬遠するということもあると思います」

街でも副反応に対する不安の声が聴かれました。

「仕事に影響が出るので打ちたくない」
「2回目38.5度ぐらい熱がでて3日間ぐらい頭が痛かった」
「インフルエンザの予防接種とか受けると体調悪くなるので、それもちょっとある。過度になりすぎな気がする。コロナに」

県によりますとワクチンの3回目の接種率は、全年代の平均で49.6%で、70代以上では8割を超えているものの、30代に関しては29.9%。20代は28.5%にとどまっています。
県は感染拡大を防ぐためにも若者の3回目接種を推し進めていきたい考えです。

県・福祉保健部 感染症対策室 林田 直浩 企画監「一定の感染予防効果というのもございますので、ワクチン接種が進めば感染を抑えるということにつながっていくのかなと。自分だけではなく周りの方のこともぜひ考えていただいて、接種を検討いただければなと思います」

また、森内教授も副反応は薬で緩和できるとした上で、後遺症のリスクを減らすためにワクチン接種は有効だと強調します。

森内教授「オミクロン株であっても、ある一定数は重症になる人たちがいるということ。軽くで済んだ人たちでも結構な割合で色んな(症状の)訴えがずっと残る。いろいろな後遺症が残る人たちがいるんだ、ということであり、ワクチンもそれを完全に防ぐことはできないまでも、ある程度減らすということはわかっていますので、それを防ぐという意味合いでもワクチンは大事な意味合いを持っている」

若者で3回目接種が進まない要因として『高齢者よりも若い人の方が副反応が強いこと』が挙げられそうです。
特に若い男性の間では『ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎といった心臓の病気を発症するケース』も報告されています。

一方でワクチンを接種することにより、コロナに感染した際の重症化を防ぐだけでなく、味覚障害や脱毛、倦怠感といった後遺症を発症するリスクが減るという研究結果も出ています。

森内教授もメリットとデメリットを踏まえた上でワクチン接種を行ってほしいとしています。